幼少の頃
小さなハンコ入れを
毎日持っていた。
ポケットに入れて
トイレに行く度に
そっと、開いて
ブツブツ唱えてた
今日こそは…と
何かを夢見て
ブツブツ唱えてた
そう
魔法を
信じてた。
別世界があると
信じてた。
けれど、
それは、それは
嘘っぱち。
知ってて信じた
嘘っぱち。
あれから数十年…。
今はもう
何が本当で
何が嘘っぱちなのか、
どれが自分で
どれが自分でないのか、
それさえも
よく分からない。
できれば
こんないま
知ってて信じる
やさしい
やさしい
嘘がほしい。