2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

カンカク

舌に残る この カンカク。 頭の 後ろに残る この カンカク。 胃と 骨と 背中が くっつく この カンカク。 感じないよう 忘れるよう 無視して 歩く 愚か者。

ズッシリ 重たい 朝が 開ける。 こんなに 丁寧な 尊い 朝を 見たのは はじめてで、 思わず 朝とは 何かと 考える。 人生で もっとも 尊い 朝は いつだろか。

茂み

立ちなさい。 そう言う 声が 遠くに 聞こえる。 もう いつもの 顔は 見えなくて、 ただ、 ただ、 声だけ 浮遊する。 青緑色の 茂みの中に 時々 ひかる あの 場所見ながら 立ちつくす。

かえるとこ

からだに 咲く 花があればいい。 音が 響くと 肩でリズムが 取れるといい。 最後は あそこへ そんな 土地があるといい。 そう 「あれば」いい。 話すと 相手のことばに 流れ、 住むと そこに慣れ親しみ とくに 根付く ところは どこにも、ない。 さて、 どこ…

安心

大きな 音がして、 その人 そこから ゆっくり 抱き上げた。 その子は コックリ その胸に 溶け込んで、 トックン トックン 響く こころの 音色を 聴きながら 前へ 前へと 歩みゆく。 いつか しっかり 自分の音色を 聴きながら、 一人 前見て 歩くまで。

金曜日、夜

下向き 降りてく その階段。 右も左も、 人、人、人。 前も後ろも 人、人、人。 視覚、聴覚 働かせ、 思わず 嗅覚 働いた。 染み込んだ 一人 ひとりの 一日 入り込み ドッシリ、 重い 人が 押し寄せた。

吸収

しゅんっと しぼんでく。 やさしい 色した こころの壁は、 受けとる ことばを ゆっくり ゆっくり 変えてゆく。 痛くない。 やわらかで 心地よい ことばの 風を 感じてる。

ここから

どうやら ここは 広い世界で 明かりが 見える。 開放された この舞台。 人がいる。 そう 人がいるの。 やっと 戻ってこれた この世界。 もういいよ。 もういいの。

私が欠ける 私が切れる 私が落ちる 私が消える たった 一片の 私が 一瞬のうちに そぎ落とされる。 穴があき 白い肌から 見える 赤の色。 そのうちに また新たな 私が見えてくる。 そう、まだ まだ、生きている。

ベタ

曇ってる 曇ってるけど 見えてるの。 自分の 心の内に ベッタリ 張り付き とれない 大きな なにか。

お口、踊る

そこどけ そこどけ お口が 通る。 お口に 足生え、 羽生え、 飛び跳ね 踊る。 音がない。 作るのさ。 道がない 作るのさ。 不快に させない 不幸に させない そんな お口でないと 困るけど。

逆さに 見た 骨と皮。 垂れさがる それをみて それでも、と 力み 湧く 声がある。 たとえ 形をなくしても たとえ 骨、それに なったって いや、 その前に 必ず 発してみせる この 魂。

我慢

ツルリン すべる その手先。 ヨチヨチ 歩く その姿。 ビービー 子どもに かえる その態度。 ことばに ならぬ ことばが 飛び交う この場所で、 どこに 私の居場所を 見つけましょう。

天に 輝くその 光。 遠くに 輝くその 光。 どちらの 光も そう 変わりはしない。 天の光は 星であり。 遠くの光は 人であり。 暗闇に、 光りを見てて 思うこと。

家族

あれ、して これ、して 当たり前。 これ、感じて あれ、感じて 当たり前。 「家族」という 名のもとに 許され 良しとす あれやこれ。 カッ カッ する。 キッ キッ する。 「家族」だから、 そおして 許され 無視され 消える あれやこれ。

鼻に秋

プン、と 吹いてく 風ひとつ。 どうやら 秋のカーテン 通り抜け 甘い香りが 降ってくる。 細めた目先に 見えたのは ブイブイ いわせる 車なの。

本、すき

ルン ルン ルン。 本が すき。 タン タン タン。 本が すき。 だから、 と 言っても 読めないの。 本を 手にして グー ピー ピー。 それ、 でも、 本が すき。 今日も 片手に 本が イル。

不自由

右に 左に 吹く風が、 シュンッと 伸びる 飛行機雲が、 シャンシャン 照らす 太陽が、 囲んで 包める この世界。 自由奔放。 好き放題。 そんな中、 決まった 時間に 決まった ことを 決まった 誰かと 決まった 何かを する自分。

その前

死ぬのなら その前に 電話して。 いや しかし 死ぬ前なんて あるのかな。 いつだって そう イマだって 死ぬ前 なのだから。 涙流して 電話見ながら 考える。 ボンヤリしていて 夜となる。

ほつれた 白い糸が うな垂れて。 シワシワ だらけの スカート 通りゆく。 曇った顔が 勢ぞろい なんとも 惨めな 陰気な 空気が 漂うの。 居たくない 見たくない 聞きたくなけりゃ 感じたくない。 足早に、 外、出て フッ、と 息、して 空をみる。