2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

歪み

それは もう、 ゆがんで ひん曲がって つぶれて バラバラに。 苦痛の すべてを 背負った かお 勢ぞろい。 醜い 汚い そうじゃなく、 痛く 切ない 悲しみが 細い 細い 神経回路を ヒリヒリ させる。

母よ

ねずみの ように クルクル 走ってた あなた。 大きな口で ヤイヤイ 言った あなた。 キッと 顔をしかめて イライラ虫に 蝕まれた あなた。 手をだし 足をだし 心をだし 悪をだしきる あなた。 あなたに なりたくない あなたに 似たくない あなたの ように あ…

そろそろ ぞろぞろ やってきた。 無数の 指が 無数の 手が そろそろ ぞろぞろ やってきた。 いつか いつかと 待っていた。 こころの 準備は 如何ほどか。 からだの 準備は 如何ほどか。 無数の 指もつ 無数の手。 たった ひとつの ために 伸びてきた。 とま…

見える

ペロンと めくれた 野菜の 皮膚と ペロンと めくれた わたしの 皮膚と。 透けて 見える あっちの 皮膚と なぁんにも 見えない こっちの 皮膚と。 なんでだろ、 なんでかな。 もしも… だったら どうしよか。 もしも… じゃないのは どうしてか。

しんどい、のに こんな顔 つらい、のに こんな顔 つかれた、のに こんな顔 大変な、のに こんな顔 しあわせな、のに こんな顔…。 あんな顔も してみたい。

動けない

だらりん。 からだが 重くって、 言うこと きかない 子たちに 指示をする。 だけど、 動くもんかと 意地はる子ら。 タイヘン タイヘン。 あ〜タイヘン。 こんな からだに 誰がした。 だけどイイ。 これでイイ。 動きずらさが よおく よおく 分かるから。 や…

カイロ

強い 熱さを 放った 君が、 瞬き ひとつで つめたく、 かたく、 そして 終わりを 告げた。 モウ、 イラナイ。 ポイッと 手から スルリと 真っ逆さまに おっこちた。 悲しいのは なぜかしら 寂しいのは なぜかしら。

90°

まっすぐ 見つめて しっくり キタ。 横 90°に 傾いた 看板。 街中 まっすぐ だらけで 心は 沈んでた。 あなたを 一目見て なぜか なぜか こう しっくり きたの。 明日も いるだろか、 90°に 傾き きっちり 貼り付けられた そこの君。

せこい、と 思う 悪い、と 思う 臆病だ、と 思う 甘い、と 思う 弱い、と 思う 情けない、と 思う。 この すべてを 出さずに いられない。 羞恥心を 押し殺し すべてを 出さずに いられない。 許されは しなくても。 こうやって。 すべてを 出して。 蜜の塗…

シャワシャワ シュ シュッ シュッ。 ポチャリ 沸いた湯に 落ちたのは 緩くなった この手。 記憶が 飛んで わたしが 飛んだ。 おや、 おや、 慌てて 救う。 ここにいる。

バリボリ

あれも これも いらなくて、 ただ バリバリ ボリボリ シャリシャリ カリカリ コリコリ… 口から 音だし 安心してる。 巨大な 不安に 囲まれながら。 それでも 毎日、毎日 口から 音出し 日々すごす。

物語

今日の日は、 美しい物語。 吹き飛ばされないように 消し去られないように 押しつぶされないように 最後に ”おわり”と 書いて 封じ込める。 この 美しい物語。

叫び

ギャッァ という 叫び、と 思う。 ハラの 底から どろどろ 出てくる 汚物、と 思う。 叫びキレ、と 出しキレ、と 押し上げる。 だけど、 蓋は 相も変わらず 知らんぷり。 どろどろ もんもん、 なんや…。 オブツは しかめっ面して 下ってく。

スーッ フーッ。 スーッ フーッ。 呼吸する。 フーッ フーッ。 こんな 合図で ドッドドと これ、全部 出てって ほしい。 辛く 切なく 苦しい 息の根 すっきり とめてしまいたい。

診断

頭に 三つの たんこぶ ついてるそう。 どこから 来たの、と 問うてみた。 返事がないから、 考える。 一つは 頬を赤くし 一つは 激怒し 一つは デコボコ顔で 悲しそう。 頭をなでて 下を向く。

湯気

ふるえる 心に 身を委ね 恐れも 不安も 感じず 日々過ごす。 ゆらゆら 揺れる 湯気を見て 今が また ひとつ 上ってく。

神さん

パチ パチ パチ。 神棚前で 響く音。 1回だった この音が 増えて 何度も 響くとき、 何を想って 何を考え するのかな。 短くなった ロウソクを きれいに きれいに なんども なんども 拭いてる まあるい 祖父ひとり。

のろのろ

わたし 好きなのよ。 こういう 食べかた こういう 生きかた こういう 見かた こういう 考えかたが 好きなのよ。 当てはまらなく いい。 当てはめなくて いい。 ジグソーパズルの ピースは たくさん あるのだから。 あっち こっちに 並べて やればいい。 不自…

あのとき

あって よかった、と いつかの 瞬間に 笑えたら 思い返せたら 大切にできたら そっと心にしまえたら そう、できたら どれだけ いいか。 今はただ その いつかの 瞬間を羨望 している。