社会

せん

ゆれて ゆられて 変化する 意思を 持ってか 持たずにか 泉に 糸とは そういうこと、か。

すくう

すくいあげる こわれないように くずれないように そのままの 形で ふんわりと ゆっくりと やさしく すくいあげる。 そのものが そのままで そこに あったように やさしく やさしく すくう

ノー

あれに ノーと 言う。 これに ノーと 言う。 それにも ノーと 言う。 口を とがらせ ノーと 叫ぶ。 涙を ためて イエスと 言う。 わたしに イエスと 叫ぶのだ。

歪み

それは もう、 ゆがんで ひん曲がって つぶれて バラバラに。 苦痛の すべてを 背負った かお 勢ぞろい。 醜い 汚い そうじゃなく、 痛く 切ない 悲しみが 細い 細い 神経回路を ヒリヒリ させる。

90°

まっすぐ 見つめて しっくり キタ。 横 90°に 傾いた 看板。 街中 まっすぐ だらけで 心は 沈んでた。 あなたを 一目見て なぜか なぜか こう しっくり きたの。 明日も いるだろか、 90°に 傾き きっちり 貼り付けられた そこの君。

診断

頭に 三つの たんこぶ ついてるそう。 どこから 来たの、と 問うてみた。 返事がないから、 考える。 一つは 頬を赤くし 一つは 激怒し 一つは デコボコ顔で 悲しそう。 頭をなでて 下を向く。

やわらかさ

弱さ 脆さも すくいあげ、 日当たり 良いとこ 寝かせとく。 触れずに ソッと しておくの。 いつか パチクリ 開いた 目の玉に あったかい 日差しが 差し込むように。 ゆっくり ゆっくり おやすみなさい。

上る階段 なくなって、 その場で 足裏見ながら 止まってる。 無人の道に 人は来ず 車一台 走らず 途方に暮れる。 そらぁ そうだ 道がないのに 人など いない。 わたしは 誰だ。 人なのか。 一休み、 二休み、 三休み、 どれほど 休みを作ろうか。 いつまで …

ふるえ

こころの 真ん中 棘ができ ブルブル 震え 怯えてる。 脳みそにまで ブルブル やってきて もう、 駄目だと ジャンプする。 こころ 震わせ、 ガチガチ 言わせる 口元で どう、倒れるか どう、壊れるか どう、立ち上がるか 試してる。 グラグラ 揺れる ロープの…

この社会で

強くなり 根をはって まっすぐ のびのび 進めない。 鞭打って 甘い、と 一蹴しつつ 歩き出す。 こんなにも 憎んで 恨んで 生きて どうしよか。 ますます 弱る 自分に 不安が よぎる。

風景

眼前に 広がった 紫色した 風景を 伝えたい。 空は 白 雲は 青で 太陽は…。 広がる この風景を 伝えたい。

安心

大きな 音がして、 その人 そこから ゆっくり 抱き上げた。 その子は コックリ その胸に 溶け込んで、 トックン トックン 響く こころの 音色を 聴きながら 前へ 前へと 歩みゆく。 いつか しっかり 自分の音色を 聴きながら、 一人 前見て 歩くまで。

金曜日、夜

下向き 降りてく その階段。 右も左も、 人、人、人。 前も後ろも 人、人、人。 視覚、聴覚 働かせ、 思わず 嗅覚 働いた。 染み込んだ 一人 ひとりの 一日 入り込み ドッシリ、 重い 人が 押し寄せた。

ここから

どうやら ここは 広い世界で 明かりが 見える。 開放された この舞台。 人がいる。 そう 人がいるの。 やっと 戻ってこれた この世界。 もういいよ。 もういいの。

ほつれた 白い糸が うな垂れて。 シワシワ だらけの スカート 通りゆく。 曇った顔が 勢ぞろい なんとも 惨めな 陰気な 空気が 漂うの。 居たくない 見たくない 聞きたくなけりゃ 感じたくない。 足早に、 外、出て フッ、と 息、して 空をみる。

クル クル クル 一つの 言葉が 包まれて、 赤く 熱く なっている。 進まねば 生きねば 働かねば 楽しまねば 笑わねば…。 〜ねばの 根をみると 赤い 熱い 一つの 袋が ついている。 名は 「不安」。 赤く 熱く なってても、 エイッ ヤッ!と 根こそぎ 掴んで …

古い

どれも これもが 古くって、 どれも これもが 変わらない。 じっと カタチを 保つ固形ブツ。 今日も 忘れられるの 待っている。 ぐだらん 意味無き この世の 固形ブツ。 だが 待てよ、 ここに ちっこい 何かが こぼれ落ち いつか 大きく 変わるかも。 カワラ…

コントラスト

白と黒との 背景に 突如現れる 冴えた 色。 あの色は、 人の色 行いの色 道という道を 踏みしめる色 飛び散る色は 眩しくて 煮え立つ色は 美しく、 離れられず 凝視する。 重い。 どす黒い。 揺れない炎に 立ち止まる。 美しすぎて 振り返る。 あなたが 放つ…

改札機

こっちで ピッ あっちで ピッ そこらで 音する ピッ ピッ ピッ。 財布ごと 鞄ごと ICカードで スルッと 抜けられます。 ドンッ ゴソ ゴソ ゴソ。 ちょっと 違う 音がした。 手が探す いつもの 入り口 いつもの 切符 入れるトコ。 ない、 ない、 ない。 目が…

やさしさ

ザラつく やさしさ 慣れていて ほんとの やさしさ 忘れてた。 大きな 広い やさしさ いただくと、 隣の誰かに はい、 どうぞ。 こころに 灯る やさしい ひかり。 袋いっぱい 詰め込み、 空から ヒラリ ヒラ ヒラ 降らしてみたい。

右に 左に ムズムズ動く 顔がある。 まっすぐ こころに 届く 顔がある。 蚊のように 行ったり 来たり、 パッと 消えてしまう 顔がある。 自分じゃ 見えない はだかの顔を さらけ出す。 なかなか 勇気がいるもんだ。

プハッ

やっと 水のないトコ 探し当て、 プハッと 顔を 出してみた。 幾年ぶりかに 息をして、 自分の 今を確かめる。 手は 目は 耳は 足は 体は 心は あるか。 少し 埃を 被った 私の今は… ハテ、 どう 動くのか。 揺れながら 傾きながら それでも、と 前へ 後ろへ…

改札口にて

ハイ、ハイと お金を渡す 乗客と、 いいです いいです いらないです、と 駅員さん。 困った 乗客考えて 小銭を 出して 詰めだした。 切符を入れる 場所に ゴソゴソ、と 小銭をたくさん 詰めている。 慌てて 止める 駅員さん。 イライラ ソワソワ 二人の 関係…

世界報道写真展

どこに 世界は あるのだろう。 遠くて 広くて 大きくて 抱えきれない 何かが 詰まってる。 いま ここから 見えず 聞こえず 触れられず そこに どう向き合えば いいのか 分からない。 だけど じっくり しっかり 見てみると そこに 人の姿が 透けていた。 ここ…

バクハツ前

あの場に 向かう 準備する。 用意は前日。 久々ですと 忙しい。 揃えるものは…。 ひとつ、 眉と眉との あいだに 2本の溝を。 ふたつ、 とんがり帽子を くわえた口を。 みっつ、 わたしは、 悪い、悪い、と 唱えるこころを。 よっつ、 大事な場所に 3本の鍵を…

目玉

雨 風 霧。 何もかもが 見えなくて。 途方に暮れる 4つの目玉。 ただ 同じ方角 見ていても、 ヤツの目は 違う 何かを 見つめてた。 不意に 大きな邪魔が 入ってくると サッと ヤツは 飛び出した。 雨も 風も 霧も 恐れも 孤独も 不安すら ただ 当たり前だと …

名前

袋の名は 「海苔」とある しかし中身は 「キャベツのカケラ」 海苔なのか キャベツなのか 実は 海苔なのかも。 外見は 海苔でも 中身は キャベツ。 本当か 嘘なのか。 よく 噛みたい よく 味わいたい よく 感じたい。 よく 見たい。 よく 知りたい。 その 中…

3つのこと

女性であること。 妻であること。 母であること。 人生で全うしたい 3つのこと。と、 ある人が言う。 とても ハッキリ スッキリ クッキリ してて 姿勢が ピンッとした。 私の3つは なんだろか…。 女かどうか ワカラナイ。 妻ではない。 母でもない。 それな…

呼び名

60歳を過ぎた人 なんて呼ぶ。 「おじいちゃん」 そんな言葉を 聞いて驚いた。 あなたの 「おじいちゃん?」 誰の 「おじいちゃん?」 不思議だなぁ。 年配の 女性に対して、 そこの 「お母さん」 あなたの 「お母さん?」 誰の 「お母さん?」 そう呼ぶ ここ…

ペッタンコ

おしりに ペッタリ 何かが 貼りついてる。 貼られたのか いや、 貼っているのか。 取れやしない。 いや、 取ろうとしない。のか。 思考、 その全ての 動きを 完全に 止めてしまう その前に、 おしりの 何かを この手で 取らないと。 この機会を このチャンス…