2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

モノサシ

モノサシが ある。 古びた たった 一本の モノサシ、だ。 そいつで 何を 測ろうか。 そいつで 何を 決めようか。 じっと 見る。 いやいや 見なくて 結構。 古びた モノサシは 変わりは しない。 といって 新しい モノサシも 変わりは しない。 そんな話は 止…

米粒

ポロッ ポロッと 一粒 二粒 落ちる 米粒。 ギュッと 握ったハズの おにぎりが 分解 分裂 破滅する。 口の中で どいつも こいつも あっち向き こっち向き 嫌がるの。 顔をしかめて 口をひん曲げ 喉の奥へと 誘い込む。 おいしさよりも 有難さよりも 何よりも …

重り

子どもに かえる母。 心細いと 手紙をくれる祖母。 予定が分からず 険しい顔の祖父。 不安が渦巻く 空気の中で 辛うじて 己を保つ。 何もできない 何もいえない。 閉ざした口は 半開き。 右にゆこうと、 左にゆこうと、 同じこと。 それなら、と 真っ直ぐ先…

横顔

横顔、 そこに 吸い込まれる ときがある。 音はなく。 風もなく。 時間もない。 諦めや 悲しみ 辛さと 痛みと 孤独が 同居する。 何も 言わない。 何も しない。 何も 起こらない。 そして それを望んでる。 横顔たちは そのうち 散らかった 痛みと 孤独と …

白い

白い月が からだを 突き抜ける。 味のしない 空気が こころを通過する。 ジワリ ジワリ 染み出す 不安と 恐れ。 どこに かえるの、か どこへ かえるの、か。 これは わたしの かえる 場所なのか。 キュンッ、と ちいさく まぁるく なってる こころに なんにも…

序章

本がある。 それも 少し 変わった本。 何が、というと 主人公が いなくて 出てくるのは 脇役ばかり。 呆れて 本を閉じようと するけど 閉じられない。 開けたら 最後、 ページが 終わりを 告げるまで つづく…の文字が つづく。 なんとも 恐ろしげな本。 作者…

100歳

100歳に なってみた。 どこか 寂しく 悲しく 心細く 不安な 思いがする。 社会のせいか。 政治のせいか。 人々のせいか。 不自由なせいか。 それも これも 抜きにして、 「世界一長寿」 なぁんて 生き残ったら どうしようか、と 考える。 早くお迎え 来ない…

摘んで食う

あっち 食べ こっち 食べ 摘み食い。 食べてばかりで 消化不良。 どうやら 頭のほうも そうみたい。 入れたいものは 出したいものは なんだろか。 それが 意外に あっさり すっきり 出てきて 驚いた。 ×の印が ピョコ ピョコ 出てきて 驚いた。 残るは これ…

理由

平和のため 文化のため 幸せのため 家族のため 子どものため… やさしくて ここちいい ピュアな コトバが 並ぶ。 誰も 何も 言わせない 議論もさせない 意味が 付与されて、 羽を伸ばして 舞う コトバたち。 その名の下に 皆、平等に そうなのか。 その名の下…

アウ アウ ウララ。 ありゃ ありゃりゃ。 大声出して 恥も出す。 もう 出すまいと 意を決して またもや 恥を出す。 2度 3度 度重なる 恥は 出し慣れて あやつ またも 出したな、と 周囲の視線。 折れまい、と 負けまい、と 包帯巻いて 消毒しながら 前を見る…

物欲がなく ごちゃ ごちゃ あること 好きでない。 あるもので 満足。 ただ その欲は 別の方へと 向かい出す。 恐ろしい スピードと 恐ろしい 強さで 動きだす。 狂ったように 動きだす。 欲を 見失った いまは 飢えた 獣のように ジタバタ ジタバタ。 そいつ…

信念

それは ただ 薄くなって 見えない だけで、 確かに 存在している。 それは ただ 絡まりあって 複雑になった だけで 確かに 存在している。 消えやしない なくなりやしない 恐れては いけない。 怖くなって 震えだして 小さくなって エイヤッ って 逃げ出した…

うんッと

この世に 入り乱れる ことばの 響きは 謎だらけ。 きっと 人が そして 社会が 謎だらけ。 ことばの 響きを 解釈するのは ナントモ 難しい。 たとえば 自由なんて 響きは とくに 難しい。 ことばを 交わすとき、 本気で 交わすとき、 たくさんの 解釈 たくさ…

「ある」「なし」

「ある」こと これが 不幸せに 感じてしまう。 「ない」こと これが 幸せだろうと 感じてしまう。 子どもの頃は 「ある」こと 自体が 信じられず 夢であった。 夢のままで よかった、のか。 「ある」ことが 溢れかえり 「ある」ことが 当たり前で 「ある」こ…

花咲か

テクテク テクテク、と。 吉野へ桜を 愛でに ゆきました。 いえ、 実のところ 吉野の桜 よりも 草団子 よりも 柿の葉ずし よりも あの壮大な景色 よりも 何よりも 人、人、ひと、に 魅せられました。 みやげ物屋の おじちゃん 出店の 兄ちゃん 天麩羅屋の お…

女性

コンビニの 雑誌コーナーで 女性のカラダを 目にしてしまう。 ドカンっと 殴られ傷を負う。 それは、とても 暴力的で。 誰の視点か 誰への視点か。 ドロリとした 欲望の瞳の中に 吸い込まれ なぜか 痛々しく感じる 消費ブツ。 見方を変えると また、違うのか…

手紙

前略 いや、 拝啓 いや、 ○○様 いや、 ○○さま 手紙を 書くと 半日仕事。 書きかけの Aさん Cさん Bさん また 別の人への 思いが 宙ぶらりん。 あの思いを この思いを 考えているうちに いつの間にやら 移り変わり 伝えたいことも 変わってしまう。 なんとも …

文脈

返す ことばが 見当たらない。 わたしの 文脈 相手の 文脈 違ってて。 同じ言語が 違う言語に 響いてる。 いっそ ことばを やめたら どうか。 いっそ 文字を やめたら どうか。 もっと シンプルに。 頭を 心を 解き放ち もつれた 思いを伝えたい。 ことばで…

とろける

波打つ 瞳の中に 弛んだ 鼻と口。 とろけそうな 皮膚と骨とに 逆立つ 身体。 開いた口から ポタリと ことばが 落ちる。 落ちた ことばは 居心地悪く わたしの 口で 変換される。 ほんのり赤く 垂れた顔面 ブツけて ひび割れ 起こして しまう。 ごめん。 ごめ…

近づく

さくらに 一歩 近づいた。 物足りずに さくらに 二歩 近づいた。 三歩目は 覚えていない。 ファインダー越しの そのさくら。 役目を終えて 背を向けて ゴツゴツの地面に 何をみる…。 茂みに隠れて こっそり ひっそり。 さくらを みたのか、 それとも 他の何…

最高と最低とわたしと

最高気温 14℃ 最低気温 4℃ やっぱり夜は 寒い。 ほんとに そうなのか。 縮かんだ、からだ 力の入った、肩 硬直した、内臓 熱の通わない、足先 ほんとに そうなのか。 からだの 濁った 曇った 空気を 足先へ 意識して 吐き出すと。 意識して 送りだすと そう…

白黒

それが 白なのか 黒なのか 教えて欲しい。 それが 善なのか 悪なのか 教えて欲しい。 もう わたしには 判断できないから。 白にも黒にも 善にも悪にも 見えるから。 きっかり 分かれる ラインは どこにある…。 辛くて 疲れて うつむくと、 善にも 悪にも、 …

怖い

怖い 怖いよ と囁く声に 返す言葉は ピュー ピュー 声にも ならない。 顔を手で覆い 耳を軽く塞いで 歩く道。 聞こえてくるのは 隙間風? 見えてくるのは 隙間光? 不安は募り 疑問は溢れ 終には この有様。 怖い 怖いよと 雄叫び 騒ぐその先に やってくるの…