ケチ

はい、 この際 認めましょ。 恥ずかしながら、 申し訳ないながら 『ケチ』 なんです。 だけどね だからかね 懐 いっぱいの 心 いっぱいの そりゃ、もう 色とりどりの お花畑を お渡し したい、 そう思うのです。 溢れるばかりの 終わりもない 温かい こころ…

イモムシ

イモムシ イモムシ くーるくる 幼い頃から 欲しかった。 イモムシ イモムシ くーるくる ずっと ずっと 前から 欲しかった。 包まれて 包まれて ギュッと つよく 包まれて。 温かさと 安心感。 今は まだ ビョーキという 名の イモムシさんに 包まれて。 わた…

端にいた

お空の 端の 端に いた。 どうやら 触っちゃ いけない 星に触れ ポタリと 地上に 落としてしまう。 ダメだった、のか それとも よかった、のか。 白い ふんわりした 花だった。

今宵は

昼間の お日様 モテた日に、 明るい 月夜で 月浴び したの。 ジャリ ジャリ 公園歩きつつ。 出れ なかったから。 見れ なかったから。 感じれ なかったから。 それでもね こんなに 明るい 夜に 出会えたさ。

オレ

『オレ』は 『オレ』は 『オラ』ぁ 天から 降ってく こんな音。 小気味 イイ。 リズミカル。 こんな 気分は はじめてか。 『オレ』は 『オレ』は 『オラ』ぁ 『オラ』ぁ… きょうは こんな 音が 降ってきた。

暗闇で 解けなくて 苦しくて 出口を 探して 泣き 叫ぶ。 鍵かけ 蓋を するのは 誰だろか。 数えきれない こころに 蓋する ヤツが いる。 自分でも 他の 誰にも 解けない 蓋がある。

ノー

あれに ノーと 言う。 これに ノーと 言う。 それにも ノーと 言う。 口を とがらせ ノーと 叫ぶ。 涙を ためて イエスと 言う。 わたしに イエスと 叫ぶのだ。

春よ

ピンク色に 染まった 春を買う。 呼ばれた 春は 軽やかで ルンルン 鼻歌なんて うたってる。 クルクル 踊りなんて おどってる。

ほうったらかし

サイナラっ と 扉をバタンっ と 閉じてみた。 ツカッ ツカッ 背筋を伸ばして 歩いてみたの。 放ったらかしの 表情 放ったらかしの 感情 『放ったらかし』も 忘れてた。 ぜんぶ 放って 散らかして クチャクチャ 気分で ワラワラ 笑っているか。

チョコ

涙 涙 涙で カケタ チョコ。 真っ暗闇で カケタ チョコと 涙した。 もー いい、 もー いい、 もー いいよ。 カケタ チョコは こう 言った。 はじめまして 甘い チョコ。 どうぞ よろしく 甘い チョコ。 ほろ苦 わたしは こう 言った。 たくさん たくさん あ…

口から

口から 手がのびる 口から 涙が溢れる 口から 絡まる糸が 口から 炎が飛び出て 口から…。 乾いた口が 欲する あなたの ことば。 ことばが 欲しい。 あなたの ことば。 狂わしいほど ほしい あなたの ことば。

ひかり

きらきら 光る お日様より ゆらゆら 揺れる 影が 今日は やさしい。

歪み

それは もう、 ゆがんで ひん曲がって つぶれて バラバラに。 苦痛の すべてを 背負った かお 勢ぞろい。 醜い 汚い そうじゃなく、 痛く 切ない 悲しみが 細い 細い 神経回路を ヒリヒリ させる。

母よ

ねずみの ように クルクル 走ってた あなた。 大きな口で ヤイヤイ 言った あなた。 キッと 顔をしかめて イライラ虫に 蝕まれた あなた。 手をだし 足をだし 心をだし 悪をだしきる あなた。 あなたに なりたくない あなたに 似たくない あなたの ように あ…

そろそろ ぞろぞろ やってきた。 無数の 指が 無数の 手が そろそろ ぞろぞろ やってきた。 いつか いつかと 待っていた。 こころの 準備は 如何ほどか。 からだの 準備は 如何ほどか。 無数の 指もつ 無数の手。 たった ひとつの ために 伸びてきた。 とま…

見える

ペロンと めくれた 野菜の 皮膚と ペロンと めくれた わたしの 皮膚と。 透けて 見える あっちの 皮膚と なぁんにも 見えない こっちの 皮膚と。 なんでだろ、 なんでかな。 もしも… だったら どうしよか。 もしも… じゃないのは どうしてか。

しんどい、のに こんな顔 つらい、のに こんな顔 つかれた、のに こんな顔 大変な、のに こんな顔 しあわせな、のに こんな顔…。 あんな顔も してみたい。

動けない

だらりん。 からだが 重くって、 言うこと きかない 子たちに 指示をする。 だけど、 動くもんかと 意地はる子ら。 タイヘン タイヘン。 あ〜タイヘン。 こんな からだに 誰がした。 だけどイイ。 これでイイ。 動きずらさが よおく よおく 分かるから。 や…

カイロ

強い 熱さを 放った 君が、 瞬き ひとつで つめたく、 かたく、 そして 終わりを 告げた。 モウ、 イラナイ。 ポイッと 手から スルリと 真っ逆さまに おっこちた。 悲しいのは なぜかしら 寂しいのは なぜかしら。

90°

まっすぐ 見つめて しっくり キタ。 横 90°に 傾いた 看板。 街中 まっすぐ だらけで 心は 沈んでた。 あなたを 一目見て なぜか なぜか こう しっくり きたの。 明日も いるだろか、 90°に 傾き きっちり 貼り付けられた そこの君。

せこい、と 思う 悪い、と 思う 臆病だ、と 思う 甘い、と 思う 弱い、と 思う 情けない、と 思う。 この すべてを 出さずに いられない。 羞恥心を 押し殺し すべてを 出さずに いられない。 許されは しなくても。 こうやって。 すべてを 出して。 蜜の塗…

シャワシャワ シュ シュッ シュッ。 ポチャリ 沸いた湯に 落ちたのは 緩くなった この手。 記憶が 飛んで わたしが 飛んだ。 おや、 おや、 慌てて 救う。 ここにいる。

バリボリ

あれも これも いらなくて、 ただ バリバリ ボリボリ シャリシャリ カリカリ コリコリ… 口から 音だし 安心してる。 巨大な 不安に 囲まれながら。 それでも 毎日、毎日 口から 音出し 日々すごす。

物語

今日の日は、 美しい物語。 吹き飛ばされないように 消し去られないように 押しつぶされないように 最後に ”おわり”と 書いて 封じ込める。 この 美しい物語。

叫び

ギャッァ という 叫び、と 思う。 ハラの 底から どろどろ 出てくる 汚物、と 思う。 叫びキレ、と 出しキレ、と 押し上げる。 だけど、 蓋は 相も変わらず 知らんぷり。 どろどろ もんもん、 なんや…。 オブツは しかめっ面して 下ってく。

スーッ フーッ。 スーッ フーッ。 呼吸する。 フーッ フーッ。 こんな 合図で ドッドドと これ、全部 出てって ほしい。 辛く 切なく 苦しい 息の根 すっきり とめてしまいたい。

診断

頭に 三つの たんこぶ ついてるそう。 どこから 来たの、と 問うてみた。 返事がないから、 考える。 一つは 頬を赤くし 一つは 激怒し 一つは デコボコ顔で 悲しそう。 頭をなでて 下を向く。

湯気

ふるえる 心に 身を委ね 恐れも 不安も 感じず 日々過ごす。 ゆらゆら 揺れる 湯気を見て 今が また ひとつ 上ってく。

神さん

パチ パチ パチ。 神棚前で 響く音。 1回だった この音が 増えて 何度も 響くとき、 何を想って 何を考え するのかな。 短くなった ロウソクを きれいに きれいに なんども なんども 拭いてる まあるい 祖父ひとり。

のろのろ

わたし 好きなのよ。 こういう 食べかた こういう 生きかた こういう 見かた こういう 考えかたが 好きなのよ。 当てはまらなく いい。 当てはめなくて いい。 ジグソーパズルの ピースは たくさん あるのだから。 あっち こっちに 並べて やればいい。 不自…