自分

夢は 三層。 突き破るには 意外と 力がいる。 今朝、 ビリッと 妙な 音がして。 いまも まだ 夢 うつつ

踏ん張る

フン張って フン張って この ちいさなモノも 踏まないように ふん張って ふん張って この やわらかなモノも 踏まないように 踏ん張って 踏ん張って あっち こっち 見ながら 気をつけながら フンバッテ フンバッテ

いちねん

春 桜の亡骸が 美しく 地面に触れていた 夏 セミと鳥と 二つの 合意を耳にした 秋 死者は それは楽しそうに 棺を運んでいた 冬 この世の 境目が 猫の瞳の その奥に あることを 見てしまう

おかね

おかね おかね おかね お財布 忘れて 見えたのは、 出しゃばりで ちょいと きちゃない カタマリ。 ヒョロリと のびた毛 ハズカシ ハズカシ えいっと 引っこ抜く。 見上げた空は 天高く、 スイスイ 進む 自転車に きれい さっぱり 笑顔が ひとつ。

はがして はがして はがしとり けずって けずって けずりとり むしって むしって むしりとり 形も においも 音だって なぁんにも ナクシテ ナクシテ ナクシタテ それでも これでも ある、いる。

思考

めくる めくる 一枚 めくり もう 一枚 めくる 次の 顔が 出てきやしないか、と。 でも 一枚 先も もう 一枚 先も 同じ顔 落ちた 欠片に 楽しみでも 苦しみでも なんでもない 視線を 落とす。 めくって めくって めぐるのは なんだろか。 同じ顔 同じ破片 同…

わたし

朝 自分の 顔が ある、と 驚いた。 まんまる お目目が ヒックリ びっくり 裏返る

色ぬり

ゴシっ ゴシっ 力を入れて 黄色出す サッササ 力を抜いて 赤色出す この行為 この方法 この視点 ある日 違う感覚 芽生えたの。 突っ切れ 吹っ切れ ここどこだ この手 この目 この感じ。 振り返り 思い返し 裏返し どこにも ないこと 見定めて 足だし 手をだし…

ポケット

かざり。 入れ物。 たまに 手をいれ 安心を いれる。 わたしで いれるため。 いまは たくさんの ポッケが いるんだ。

ケチ

はい、 この際 認めましょ。 恥ずかしながら、 申し訳ないながら 『ケチ』 なんです。 だけどね だからかね 懐 いっぱいの 心 いっぱいの そりゃ、もう 色とりどりの お花畑を お渡し したい、 そう思うのです。 溢れるばかりの 終わりもない 温かい こころ…

イモムシ

イモムシ イモムシ くーるくる 幼い頃から 欲しかった。 イモムシ イモムシ くーるくる ずっと ずっと 前から 欲しかった。 包まれて 包まれて ギュッと つよく 包まれて。 温かさと 安心感。 今は まだ ビョーキという 名の イモムシさんに 包まれて。 わた…

暗闇で 解けなくて 苦しくて 出口を 探して 泣き 叫ぶ。 鍵かけ 蓋を するのは 誰だろか。 数えきれない こころに 蓋する ヤツが いる。 自分でも 他の 誰にも 解けない 蓋がある。

チョコ

涙 涙 涙で カケタ チョコ。 真っ暗闇で カケタ チョコと 涙した。 もー いい、 もー いい、 もー いいよ。 カケタ チョコは こう 言った。 はじめまして 甘い チョコ。 どうぞ よろしく 甘い チョコ。 ほろ苦 わたしは こう 言った。 たくさん たくさん あ…

口から

口から 手がのびる 口から 涙が溢れる 口から 絡まる糸が 口から 炎が飛び出て 口から…。 乾いた口が 欲する あなたの ことば。 ことばが 欲しい。 あなたの ことば。 狂わしいほど ほしい あなたの ことば。

しんどい、のに こんな顔 つらい、のに こんな顔 つかれた、のに こんな顔 大変な、のに こんな顔 しあわせな、のに こんな顔…。 あんな顔も してみたい。

せこい、と 思う 悪い、と 思う 臆病だ、と 思う 甘い、と 思う 弱い、と 思う 情けない、と 思う。 この すべてを 出さずに いられない。 羞恥心を 押し殺し すべてを 出さずに いられない。 許されは しなくても。 こうやって。 すべてを 出して。 蜜の塗…

叫び

ギャッァ という 叫び、と 思う。 ハラの 底から どろどろ 出てくる 汚物、と 思う。 叫びキレ、と 出しキレ、と 押し上げる。 だけど、 蓋は 相も変わらず 知らんぷり。 どろどろ もんもん、 なんや…。 オブツは しかめっ面して 下ってく。

スーッ フーッ。 スーッ フーッ。 呼吸する。 フーッ フーッ。 こんな 合図で ドッドドと これ、全部 出てって ほしい。 辛く 切なく 苦しい 息の根 すっきり とめてしまいたい。

下向くと 落とした 表情 揺れていて 拾いもせずに そっぽ向く。 次からつぎに 滴り落ちる 表情を 毒のように 泥のように 吐き出して 皺ひとつと ないこの顔に 満足とも 不満足とも 言えぬ今日。

小さくて いい 少しで いい ひっそりとで いい しなやかに 飛べると いい。

しるし

穏やかに 平穏無事を 望んでる。 ここが 居場所 ここが そう。 この場所 この位置 この空気 離れない 忘れないで こころに 目印を。

未来

走り去るのは この瞬間。 意思はなく 気もなく 力もなく 引きずられ 明日も 未来も 見えずに 今がある。

バランス

酷く 醜く なっている。 スピード、 正確さ、 張り詰めた 時間との戦。 精密な機械であれ、と。 しかし 人間でもあれ、と。 人間でも あなたであれ、と。 調和をはかり 社会という 輪に入ろう、と。 そうでありたいと 願う。 そうなりたいと 願う。 しかし、…

真っ白

一枚めくると 真っ白で もう一枚を めくってみた。 そうしたら また真っ白で、 仕方ないから もう一枚だけ めくってみた。 真っ白だった。 どこまで いっても 真っ白な ものしか 見えなくて、 とうとう 何もかもが 真っ白に。

こんなの

自分を 愛して あげなきゃ。 そんな ことばに 慣れないな。 ヤダヤダの 自分。 なんて 奴だ、という 自分。 どうしようもない 自分。 無視して 呆れて そんな 自分に そっぽ向く。 だけど こうして 生きている。 わたしの わたしに 対する感情は これなんだ。

すきま風

こころに 飛び入る すきま風、 痛くて 怖くて 絶えられず、 扉を しっかり 施錠した。 それでも 痛くて 怖くて 絶えられず、 ついに こころの 扉が パンクした。 朝、 潰れた チャックを 引き上げて それでも、と 形を整え 私でいてる。

クテクテ

クテクテ クタクタ。 やさしい ことばに 棘をつける クテクテ クタクタ やさしい ひとに 仮面をつける クテクテ クタクタ。 やさしい 世界に 墨をぬる クテクテ クタクタ やさしい 光に 美をみて 我にかえる。 クテクテ クタクタ…。

流れ

流れに 乗って どんぶらこ。 何やら 分からず 乗ってるの。 どこへいく いや、 どこにいこ。 目指すべき道 探りつつ、 スピード ぐんぐん 早くなる。 足元 手元に 注意しよ。

包んでくれて

やさしい 眼差しが あったかい ひとの こころが 何層にも 何層にも わたしを 包んでくれている。 ことばの クッションが ひとつ、 ふたつ、 みっつ… 腰掛けやすく ちょうどいいように 置かれている。 座っていいからね。 もたれていいからね。 押すでも 引く…

明日

未来は ほね。 吹かれ 飛ばされ 舞い散るの。 大地へ 空へ 海中へ あっち こっちへ 行き交い するの。 今日の 未来は ほね。