電車内で
流れた
小粒の涙
甦る昔の記憶
好きな音楽を
爆音で聴いて
何度も何度も
聴きながら
身体の水分という水分を
出し切っていた
昔の記憶
目を真っ赤に腫らして
声を押し殺して
ただ
涙した
それが
いつの間にか
涙することを
忘れていた
ふと流れ出た
小粒の涙が
教えてくれたこと
身体は覚えていたのか
いつの間にか
身体を放って
心を放って
何か夢中で
走りきろうとしていたのか
立ち止まって
涙して
そして
一息ついてたのか
涙とともに
甦る昔の自分