電機屋さんで

ひと、ひと、ひと
ひとの中に埋もれて
真っすぐ
自分の道に
向かうのは
なかなか、
むつかしい。
目やら
耳やら
身体やら
自制をなくてし
破壊寸前。
そんなとき
ねっとり
べっとりした
言葉で
我にかえる
「家じゅうの」
「すべての〜」
「これたった一本で」
「すばらしい」
ねっとり
べっとりした
言葉に群がる
黒いひとの山。
日曜日のお昼、
電機屋さんで
壊れかけた
目が
耳が
身体が
拾った
言葉たち。
修理が必要なのは
あちらの方か
それとも
こちらの方なのか。