告白

15年前
震災の日、
小学6年生だった。
大きな揺れの間
ずっと
騒いでいた。
布団に潜りながら
ジェットコースターだ!
と。
とんでもなく
大きな
大きな
地震が神戸を
襲ったと暗闇の
ラジオが
伝えてくれた。
そう
今でも思いだす。
新聞配達中の母は
懐中電灯を
首からぶら提げ
息を切らして
駆けていった。
それから
学校が休みだと分かって
嬉しかったことを。
テレビを見ると
崩壊した町が
映しだされたことを。
ラジオから
○○さんを探しています。
○○は無事です。
元気づける音楽を、と。
わたしの記憶は
ここで
終わり。
これ以上
思いだせないでいる。
騒いだ
自分。
学校が休みで
嬉しかった
自分。
そんな自分を
処理しきれないでいる。
そんな人は
大きく
登場しない。
登場しては
ならない。
けれど
そう思ってしまった。
毎年、この日は
傷が疼く
月日が経つごとに
傷が深くなる気がする。
なぜそう思ったのか。
なぜそう感じたのか。
処理しきれないでいる。