トイレの想い出

慌てて
駆け込んだ
家のトイレ。
感触が違う
用を足して
ふと、振り返る。
なんと、
んまッ!
ふたが閉まったまま
真っ青に
なって
ガタガタ
震えて
外に出る。
シマッタ。と
怒られる
叱られる
叩かれる。と
トボトボ
歩いて
見上げる
おばあちゃんの顔。
事情を話す。
ごめんなさい。と
すると
顔色一つ変えずに
「そんなことかいな
ふいといくわ〜」と
ニコニコ
おばあちゃん。
小学校低学年の私だった。
どんなものより
どんな言葉より
決して
消えない
永遠のものがある。
とするならば
それは
きっと
トイレの想い出。