兄妹

たばこをふかして
遠くを見つめる男がひとり
目が合った
オッ!と
これから帰り?
うん、そうや
こんな時間か
まっ頑張りや
ハイハイ
上から下まで
見られてしまった
彼は
長身で
おしゃれで
まっいわゆる
今風の
カッコいい
オトコなのだ
同じ腹の中から
産まれたとは
思えない
少し
一緒に暮らしていたとは
思えない
これほど
近い存在であるはずなのに
とても
とても
遠くに感じる
なんとも
表現のしようのない
相手
愛、ではない
情、でもない
微妙な存在
不思議な
めぐり合わせ
そこに意味を付与すべきなのか
すべきでないのか
近づくべきか
触らぬべきか
ただ、いまは
そっとしておきたい
彼との関係